国産材で可愛い家づくり|茨城だからこそ住む人と環境に優しい木の注文住宅

みんなが喜ぶ家づくりがある

 

家づくりが、地球の環境によくないことに関わっている、としたら

家づくりが、世界の誰かの生活の場を奪っている、としたら

 

「木ならなんでもいい、とくにこだわらない。」と言う人がほとんどだろう。

 

でも、家づくりに木はかかせない。

木のことを知って、家づくりは、ぜひともできるだけ多くの国産材で達成してほしい。

 

 

日本の家づくりの現状

国産材を使うことは、合法木材を使うことに直結する。

“合法木材”は、たった今、注文住宅で家づくりにいそしんでいる人にすら、耳慣れない言葉かもしれない。

木材には合法木材と非合法木材(違法材=環境破壊で採った木)がある。

 

 

一般的な日本の家づくりは、今でも木材の約65%に輸入材が使われている。

 

林野庁が出している2016年の統計によると、

特に柱や梁などの構造材や、棚などの家具にまで、家のあらゆるところに

使われている集成材は、ほとんど輸入材だ。

国産材の割合は、15%にすぎない。

 

そして、木材の6割は発展途上国で生産されていて、

輸入する木材の12%は、違法木材の可能性が高い、と言われている。

事実はもっとかもしれない。

 

 

違法木材を使うことの何がいけないのか?

その答えは、知らないところで森林破壊を促し、地球環境を壊し、そこに住む人々の生活も苦しめている、こと。

 

 

話はそれるが、3月だというのにやけに生暖かい昼下がりに、

あるお客さまが家の相談でショールームに見えられた。

そのご夫妻は、イギリスにも精通し、世界を股にかけてご商売をされている。

 

リフォームでコンサバトリーを併設したいとのことで、イギリスの話でおおいに盛り上がったが、

「日本は、コロナの話題を除いたとしても、閉塞感が広がっているように感じませんか?」

とお聞きしたところ、

「うーん、閉塞感というよりも、若い人たちにやる気がないように感じます。問題意識がなさすぎる、というか…。アジアの子たちにも確実に負けていて、もう先進国の意識ではないです。彼らが社会を背負ったときに、日本はどうなるんだろう?と、思います。」

 

それは、改めて僕たち大人のせいだ、と思った。

潜在的には、将来への不安を持ち合わせていたとしても、共有せずに

目の前の楽しいことだけで、あはは、おほほ、と暮らしていれば、

子供たちに、そんな問題意識は生まれようもない。

 

僕は危機感を持っているつもりだが、それを家族に説こうにも、心はいつもむなしく宙をさまよっている。

すこしも将来のことを考えて生活しなさい、的な発言をしようものなら、恥ずかしいことに、

「チッ」という舌打ちまで、聞こえてくる始末だ。

テレビやユーチューブを見ながら談笑している家族に親父の説教など、ご法度なのだ。

頼みの奥さんも、僕の後押しする気配すらない……。

 

 

似たような話を続けて、恐縮だが、

岩崎駿介先生(新横浜などの元都市デザイナーであり元筑波大助教授、NGO活動家で、『もしドラ』で有名になった放送作家の岩崎夏美氏の父)の講演を聞きにうかがったとき、

ひとりひとりの行動は世界につながっている、と力説されていた。

 

その中で印象的だった言葉が、

「欧米人は悪いとわかってやっているが、日本人はわかろうせずにやっているから、それはもっとたちが悪いことです。」

という一言だった。

 

話をもどす。

木材の話なんて、なおさらなこと。

みんな本音はどうだってよくて、興味がない。

 

でも、木材の世界では、悪しき企業にとって、日本がステキなお客さまになっている。

もっとも日本のえらい人は、分かりつつ国民に隠しながらやっている。

これまた、たちが悪い。

 

日本は最近まで知らぬ存ぜぬ態度だったが、法整備に動いた。

日本は環境破壊の貢献国だ、という指摘が多かったためだ。

 

小さくニュースになったが、新国立競技場は、つくっている最中に海外から違法木材使用の指摘があった。

そのとき、日本側はだんまりを決め込んだ。

そして、新国立競技場は完成した。

 

安倍首相に「木材使用中止」の嘆願書送付

経済優先の裏で、苦しんでいる人々がいるということだ。

 

正しいかどうかは、自分で判断するしかないが、グーグル先生は何でも教えてくれる。

良いも悪いも知った上で、考えて選択するべきだ。

 

 

そしてクリーンウッド法が生まれる

ある法律が議員立法で制定された。

クリーンウッド法(2017年に制定された合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律)だ。

 

ところがその内容は、合法木材の使用は努力義務にとどまり、違法木材の取引に罰則がない。

つまり「合法木材を使いましょう。」って言っているに過ぎない。

これをザル法と言うらしい。

 

実態は違ったとしても「うちはクリーンウッド法に適応してますよ!」と表明したならば、

一般の目には、何とエコな企業に見えることか。

 

クリーンウッド法は、違法木材の隠れみのになる

 

世界へのていさいのために、日本は取りつくろったのだ。

 

 

ひと昔前は国産材と言えば、高嶺の花だった。高価な材料だった。

でも、いまやコストは輸入木材とさほど変わらない。

 

そして、日本の森の成長は早く、1年分の成長量で1年分の家を作れてしまう。

また、弱いとされてきた杉は、JAS規格の出現により、強さが証明されている。

 

となると、どこから来たのかも分からない輸入材は、もう使う必要もなく、

透明性の高い国産材を使わない理由は見あたらない。

 

【森からのツアー・八溝山】

 

すこしでも多くの国産材を使い、すこしでも輸木材の使用を減らすべきだ。

家づくりという一生に一度の大きな事業活動そのものが、未来の子供たちのためにもなる。

 

家づくりには美しいストーリーが必要だ。

 

国産材はここに使う

家に使う木材の情報は、作り手が伝えないかぎり、確かなことは得られない。

工事も知らないうちに、壁で覆われているものだ。

だから、ほとんど話題にのぼらないで家づくりは終わるのだ。

 

この確認には、資料だけでなく、

隠れてしまう梁や柱が見える、構造見学会がよい。

この図で示す通り、うちの構造材は、すべて国産材(八溝山系の茨城から栃木、福島の地元材)を使っている。

 

構造見学会に来ていただけたら、嬉しい。

イエローチェアハウス 〉イベント

大工さんとお客様のお子さん

構造見学会

棟梁の時間が空いていたら、その場で木工教室も開いてくれる。

 

国産材を安価に仕入れる方法

安くなったとは言え、国産材は流通が複雑で高くなりがちだ。

中間マージンをカットするしかない。

山とつながれば、正しい情報も得られる。

 

個人でもやろうと思えば、不可能ではないと思うが、そこは良心的な工務店とつながる方が、早い。

 

ポジショントークのようだが、イエローチェアハウス で言えば、10年前に達成している。

 

 

宝箱のようなステキな家をぜひとも安価な国産材で、作りあげて欲しい。

 

ご自身も、世界にも豊さが広がる。

 

 

家づくりは安心な木材を使う

東日本大震災の後、「地元の木、(放射能汚染は)大丈夫ですか?」

と、家づくりに相談に来られたお客さまに、ときおり質問された。

 

自然素材を提唱するイエローチェアハウス に訪れる方だからこその質問だった。

地元材をすすめる僕たちにとって、あのときは試練だった。

 

震災直後に家づくりを考えていたご家族にとっては、放射能汚染が大きな関心ごとのひとつだったことは間違いない。

ところが、その悩みはすぐに解決へと導かれた。

 

これも協和木材さんの力だ。

 

国も混乱し、木材に関する汚染の対策は何も出てこなかった。

業界も沈黙。

福島のみならず、茨城で建てる人にとっては、口に出さなくとも気にしてるはずなのに。

 

驚いたが、協和木材さんは、すぐさま独自に取り組んでいた。

震災後1ヶ月、木材の放射線検査を始めたのだ。

 

4つの放射線検査

1、森の空気中に放射能が飛散していないか

2、山から切り出したときの丸太に放射能が付着していないか

3、製材したときにでるチップに放射能が付着していないか

4、柱になった時に放射能が付着していないか

 

今でも毎月欠かさず、測定結果を公表している。

放射能測定報告

追記:現在(2018/11時点)は、工場内に入るトラックも検査している。

写真は運搬車両の入場口で、両サイドに立っているのが、検査機。

 

 

 

 

木材にどれくらい放射線が付着しても安全か、という基準値はない。

そのため、食品の基準値を代用している。

つまり、出荷している柱は、食べても安全な柱。

もちろん誰も食べないが。

 

木材が汚染されていないかどうか、ここまで調べているところは知る限り他にはない。

また輸入木材の場合は、おそらく検査はされておらず、

高温処理、冷温輸送と言ってるが、どうだろう。

外来種生物の駆除のための薬品は、本当に使われていないのだろうか…

水際処理の実態は分からない。

 

その点、国産材は安心

さらに厳格な基準で検査され出荷される、協和木材の柱は安心だ。

日本一、いや世界一と言っても過言ではないかもしれない。

 

イエローチェアハウス はその安全性から今では、構造材のみならず、床材を作ってもらい、標準仕様にしている。

住みごこちは何で決まる?|重要な床の選び方 ←よければ、こちらのブログをご覧ください。

 

棚材も引き出しもすべて、八溝山の杉。

 

かくして震災からわずか2ヶ月後には、僕たちも安心して自信を持って、家づくりを案内できるようになったのだ。

 

素材を引き立てる製造工程

地球環境によく、汚染の心配もまったくなく、素性がどんなによいとしても、

柱になる工程が悪ければ、住宅建材としては完走できないマラソンランナーのようなものだ。

 

人工乾燥材は強いのか?

今でもKD(人工乾燥)材は、僕たちのような建築業に携わる者にとって、本音は悪い柱と思っている人も少なからずともいる。

 

案外、家づくりを真剣に考えているまじめな設計士に多い。

設計建築を営む友人K氏は、KD材への不信感から、グリーン(無乾燥)材を指定している。

 

また、よく調べているユーザーの中には、AD(天然乾燥)材を指定する人もいる。

 

グリーン材は強度が高い。

ただし、強度はあっても、乾燥していく過程で割れや狂いが多く発生するので、住み勝手に影響する。

 

建具が開かなくなったり、ひどいときは壁や床が反ったり、

そのような現象はグリーン材に現れやすい。

 

AD材と言われる天然乾燥材は、文字通り天日ぼしされた木材。

含水率25%を境にグリーン材とAD材に分かれる。

 

グリーン材のような心配はないが、場所も時間も必要なことから、高級な建材となりがちだ。

ちなみに柱として使えるようになるには、1年くらい放置するようになる。

 

そしてKD材。

 

また余談だが、10年以上前のこと、協和木材さんに出会う前、

KD材が現場に納品されたとたん、焦げたような臭いが立ちこめたときがあった。

柱をみるとカラカラ状態。

木肌の色もうっすらと灰色に近い感じ。

 

後から知ったが、それは組織が壊れ、強度が落ちた状態だそうだ。

芯を見ると大きく亀裂(内部割れ)が入っていたのを思い出した。

 

それでも当時は、そのような品質の柱を使わざるをえなかった。

 

同じようなことを経験している建築屋は多い。

それで、KD材を使うことへの罪悪感が育まれた。

 

でも今は、小さな工場は減り続け、大規模化した工場が増え続けている。

技術は協和木材に限らず、乾燥技術の進歩はいちじるしい。

 

今なら、迷わずKD材を指定するべきだ。

 

そこでもやはり、協和木材の技術は安心感を与えてくれる。

 

 

JAS認定材

JAS(農林水産省が出す日本農林規格)認定の製材工場がある。

意外にこれは当たり前ではない。

 

現在、日本には4,800ほどの製材工場があるが、JASの認定工場は580工場。12%程度にとどまっている。

 

JASは、強度を指定した規格。

・木口の寸法 内部割れがひどいと規格外

・材の品質 狂いやソリ、割れなど

・強度 圧縮や曲げなど

1本1本、これらをクリアしなければならない。

 

JAS工場は、乾燥前に丸太を裁断し、ラフ材になったときに、重量選別を行う。

杉材は元々の含水率の開きが高いために、重さで分けることによって、あらかじめ品質の安定をはかる。

 

例えば、無等級材(JAS認定工場外の製品)では、この選別がない。

乾燥させる時間が同じだとすれば、品質がバラけるのは想像にたやすい。

 

そして、乾燥。

 

乾燥技術は工場によって違うが、協和木材さんは、中温と高温のセット乾燥をしている。

 

イエローチェアハウス 担当の小林さんの言葉。

「単に高温乾燥だけで製品を作らず、いったん外部にさらし、湿気をすわしてから、中温乾燥を施します。

この手間のかかる工程が、品質の高い木材になる秘訣のひとつです。」

 

ドライングセット 高温乾燥(窯の中は、高いときで120度くらいまで上昇する) 3日

外部養生 (適度に外の湿気を吸わせる) 数日

中温減圧乾燥(減圧しながら沸点を80度くらいまで下げる) 1週間

仕上がり

 

独自な仕上げ乾燥という工程を持つ協和木材さまの木材は、まず色が美しい。

 

そして表面の割れは、ほとんど発見できない。(0ではない)

建ってしまえば、木口は確認できないが、内部割れも小さい。

そして、グリーン材ような木の香りがする。

 

このような木材は住む人には安心を与える。

家が安定的だ。

結果、僕たちもアフターも少なくて済んでいるのでありがたい。

 

イエローチェアハウス では『森からのツアー』と称して、1年に2度、伐採シーンと製材工場を視察する遠足気分の見学会を開催しています。

イエローチェアハウス 〉イベント

 

国産材で家づくりまとめ

・国産材は環境に優しい

・茨城産なら放射線検査をしている国産材は安心

・JAS認定材を使うと家の品質が高まる

・柱の製造工程、家づくりの現場は、自分の目で確認

 

家づくりには、ステキな物語を!

著者情報

阿部よしあき
阿部よしあきイエローチェア・ハウス代表
私たちの家づくりへのこだわりは、すべてはそこに住まい、暮らしの場を作られるご家族のためにあります。
ぜひ、一緒に工夫しながら家づくりを楽しみましょう!