平屋を勾配天井でおしゃれに|快適性を高める勾配天井の設計ポイント
平屋の天井は、家の中の空間が広がり、明るく開放感のある室内を作れる「勾配天井」を採用したいとお考えの方も多いのではないでしょうか。
今回は、平屋と勾配天井を組み合わせておしゃれで快適な住まいを実現するコツをご紹介します。
勾配天井を取り入れる際に気をつけたいポイントや、より快適性を高める設計・照明選びのポイントについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
- 平屋に勾配天井を採用するメリットが分かります。
- 勾配天井のデメリットや注意する点と設計のポイントが分かります。
- 勾配天井のおすすめ照明デザインや照明の選び方が分かります。
- 茨城の工務店、イエローチェア・ハウスが施工した勾配天井の平屋建築実例が見られます。
施工事例
平屋で勾配天井を採用するメリット
・開放感が生まれる
勾配天井の魅力は何といっても、室内がとても広く見えること。天井が高くなるので圧迫感のない、開放感いっぱいの家になります。
・室内が明るく、風通しが良くなる
勾配天井は、室内の屋根付近の壁や屋根に窓を設置できます。
屋根付近の壁に取り付ける窓は「高窓(ハイサイドライト)」、屋根に取り付ける窓は「天窓(トップライト)」といいます。
家の中の高い位置に窓をつけられるので、普通の天井よりも家の中にたくさんの光、風を取り込めます。
・梁見せ天井にできる
勾配天井の家は、通常は小屋裏部分にある構造材の梁がインテリアとしても機能して、オシャレ感がアップします。構造の梁が見える天井を「梁見せ天井」といいます。
構造材を見せることで室内に木が見える部分が多くなるので、ナチュラルな内装にもなりますね。
・外観もおしゃれに仕上がる
勾配天井にすると、外観にも変化を出せます。
例えば、
- ・天井を低くして屋根勾配を抑え、安定感のある外観に
- ・連続した高窓を使って外観をモダンに見せる
など、外観により個性を出せたり、よりおしゃれにできたりします。
・ロフトを作れる
通常の小屋裏空間の活用方法は、はしごを使って天井裏に入る「小屋裏収納」になります。
勾配天井にすると、小屋裏空間が室内空間に取り込まれるので、明るく快適なロフトスペースを作れます。
勾配天井でロフトをつくる場合、天井裏の小屋裏収納に比べて設計の自由度がとても高くなるので、ロフトを建築基準法上の床面積に含めない設計※とすることもできますし、快適性を重視した「平屋風2階建て」とすることもできます。
※ロフト部分の最高の内法高さが1.4m以下かつ面積がロフトのある階の面積の1/2未満
参考:茨城県HP「建築基準法・関係法令等(茨城県建築基準法取扱集)」
ロフトが床面積に含まれる基準、はしごでなく固定階段をつけられるか、などの細かいルールは自治体によってケースバイケースなので、希望はあらかじめ設計者に伝えておくとスムーズです。
・換気がしやすくなる
通常、暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へと流れます。たとえば高窓と腰窓を開けていれば、室内の暖かい空気が天井付近に集まって高窓から外へ抜け、同時に腰窓から新鮮な空気が入ってくることになります。
部屋の中の空気が常に動くので、自然に住まい全体の通気が良くなり、換気もしやすくなります。
勾配天井のデメリット・留意点と対策
次に、勾配天井を取り入れる際に知っておきたい注意点をまとめてみます。
・工事費用が高くなる
勾配天井と通常の天井で施工費が変わるのは、主に内装の壁面部分の工事費用です。通常は天井を張れば小屋裏になる部分を居室側に取り込むため、その分の壁面の施工費が増えるということですね。
また、勾配天井をクロス張りでなく「板張り」で仕上げる場合も、費用は高くなります。
・冷暖房効率が悪くなる
勾配天井は、室内空間が広くなる分、冷暖房の効きが遅くなりやすいというのは想像できると思います。
勾配天井を採用して暑い、寒いの不快な家にしないためには、家全体を高気密高断熱仕様で建てることがとても重要です。
平屋ではありませんが、吹き抜けのあるイエローチェア・ハウスのモデルハウス(HEAT20 G3)のあたたかさを検証した記事がありますので、参考になるかと思います。
また、今年の1月のモデルハウスの室内温度計測結果をグラフにしてみました。
※省エネ等級☆☆☆☆☆(省エネ率121%)6畳用エアコン1台のみ稼働 常時18℃設定
ご覧のとおり、6畳用エアコン1台、18℃設定のみで、室内温度は屋外の寒さや気温変化に影響されず18℃前後をキープできました。
ちなみに、HEAT20 G3は、次世代省エネ基準やZEH基準を超えた断熱性能で、冬でも室内温度15 度以下にならない高断熱仕様になります。
加えて、シーリングファンなどで空気の循環を促せば冷暖房効率が上がります。
・照明の交換・メンテナンスに手間がかかる
勾配天井は、普通の天井よりも高い位置に照明があるため、交換や掃除が大変な点がデメリットです。
ただし、最近のLEDは長寿命なので昔よりは交換の頻度は少ないです。
また、勾配天井に照明を付ける以外に、ブラケット(壁面)照明やペンダントライト、梁に取り付ければ手に届きやすくすることもできますよ。
・勾配の向き
例えば、南にリビングがあるなら、南から北に向かって下がる勾配にすれば、リビングにハイサイドライトを付けられて、リビングがとても明るくなりますよね。
ただし、屋根の斜面が北側に向くことになるので、太陽光パネルを載せたいなら効率が悪くなってしまいます。
また、南側の軒を長くしづらいので、敷地の条件によっては、季節ごとの日射コントロールが上手くいかない可能性もあります。
勾配天井の向きは、室内の環境や希望の間取り、理想の暮らし方など様々な観点から総合的に決めていくことになります。
このあたりは、私たちプロの仕事ですので、しっかりと検討の上、ご提案いたします。
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平屋の勾配天井の照明アイデア
せっかく勾配天井を採用するなら、照明にもこだわって、さらにおしゃれで快適な平屋にしてみませんか?勾配天井におすすめの照明アイデアをご紹介します。
・ペンダントライト(上から吊るす)
勾配天井でも、上から吊るすタイプのペンダントライトを取り付けられます。コードの長さを調節して好きな高さにできるのがメリットです。
ペンダントライトはデザインも豊富なので、インテリアのアクセントにもなります。
・梁にライティングダクト(ライティングレール)+スポットライト
勾配天井にある梁を使って、ライティングダクトを設置し、スポットライトやペンダントライトを付ける手法も最近とても人気ですね。
ライティングダクトは、取り付けたスポットライトをレールに沿って動かせるのが最大のメリットです。ライトを回転させれば照らす位置も細かく調節できます。
・ダウンライト
天井に埋め込み、すっきりした見た目が人気のダウンライト。勾配天井には、傾斜天井用のダウンライトや、ユニバーサルダウンライト(光を当てる位置を変えられるダウンライト)を使います。
勾配天井の場合、勾配の高い方に配置すると、より空間に広がりを感じられるようになります。勾配天井ならではの光のデザインを考えてみるのも楽しいですね。
・ブラケット照明(壁付け)
壁に取り付けるタイプのブラケット照明は、手に届きやすい高さで電球交換やお掃除がしやすいのがメリットです。デザインも多様でインテリアに合わせて選べます。
ブラケット照明を取り入れる場合、エアコンや家具など、照らす方向の壁面に物がないように設計します。
・間接照明
間接照明は、壁や天井、床などに向かって照らすタイプの照明です。リビングや寝室など、リラックスして過ごす場所におすすめです。
間接照明は様々な照明パターンが考えられます。勾配天井の場合、天井面に沿って照らせば勾配が引き立っておしゃれです。
間接照明は読書やPCなどの作業には明るさが足りないので、必要に応じてスタンドライトやスポットライトなどを配置すると良いですよ。
まとめ
平屋建ては、勾配天井にすることで吹き抜けに近い開放感や明るさを生み出せます。
勾配天井に高窓や天窓をつけて光をたくさん取り入れたり、ロフトを作ったり、板張り天井にしてログハウスのような雰囲気を出したりなど、間取りやデザインの幅が広がり、平屋の快適性やおしゃれ感をアップできます。
今回解説した採用時の注意点や設計のポイントを踏まえて、自分に合った理想の平屋を実現してくださいね。
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著者情報

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家をつくるということ。
それは単に道具としての“HOUSE”を組み立てる作業ではありません。
家族が笑顔で快適に過ごせる“HOME”をつくるお手伝いをしています。
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