BAUHAUSからHampstead~B.I.I.Dへ|Yellow’s Spirit 2018-01_02
NEWデザインのコンセプトを現代建築デザインの潮流を踏まえながらお伝えします!
向春の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。平素はひとかたならぬ御愛顧を賜り、ありがとうございます。
本年も地域のホームビルダーとして、自然と共存した持続可能な“暮らしづくり”に取り組んでまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
さて、今月の『イエローズ・スピリット』は、ハムステッド「B.I.I.D」のご紹介です。去年の10月号に誕生のいきさつをお披露目しましたが、今回はさらに深く掘り下げ、世界の建築デザインの流れなども交えながらお伝えしますので、B.I.I.Dをより良く知っていだければうれしい限りです。
BAUHAUSが創出したモダンデザインの潮流!
B.I.I.D=British Industrial Interior Design
《ブリティッシュ・インダストリアル・インテリア・デザイン》
これはイエローチェア・ハウスのデザイン・シリーズ「ハムステッド 「2 Willow Road」をベースにしています。
では、B.I.I.Dの本流を遡ってみましょう。
みなさんは「BAUHAUS(バウハウス)」をご存じでしょうか?
我々、家をデザインする仕事をする者にとっては憧れのひとつなのですが、ご存知ないかたのために少しだけBAUHAUSついてご紹介しましょう。
BAUHAUSは、1919年イギリスのアーツ・アンド・クラフト運動などの影響を受けながらドイツのヴァイマル(Weimar:慣用的にはワイマールとも)に設立(のちにデッサウ=Dessauに移転)された工芸やデザインなどまで含む美術と建築の学校でした。
ちなみに「Bauhaus」とはドイツ語で「建築の家」という意味です。中世の建築職人組合である「Bauhutte(バウヒュッテ=建築小屋)」という言葉を初代校長のヴァルター・グロピウス(建築家・1883-1969)が“モダン”に表現したものです。
二代目の校長ハンネス・マイヤー(建築家・1989-1954)の手腕で運営も軌道に乗り、世界的な評価を獲得したのち、三代目の校長に就いたのは、ミース・ファン・デル・ローエ(建築家・1886?1969)でした。彼はヴァルセロナ・パビリオン(1929年のヴァルセロナ万博で建設されたモダニズム建築の傑作)を設計し、ヴァルター・グロピウス、ル・コルビジェ(建築家・1887-1965)、フランク・ロイド・ライト(建築家・1867-1959)と並ぶ立つ巨匠建築家です。
このようにBAUHAUSの歴代校長自体、とても優秀な建築家たちでしたが“マイスター”と呼ばれた講師陣も当時の最新かつ優秀な芸術家たちで占められていました。パウル・クレー(画家・1879-1940)、ヨセフ・アルバース(美術家・1888-1976)、ワシリー・カンディンスキー(画家・1866-1944)、ヨハネス・イッテン(芸術家・1888-1967)、モホリ=ナジ・ラースロー(写真家 タイポグラファー・1895-1946)、そして、ヘルベルト・バイヤー(写真家・1900-1985)といった当時の著名な芸術家たちが教鞭をとる最先端のアート・スクールでした。
BAUHAUSの合理性と機能性を重視した教育思想は、建築、工芸、写真、デザイン、美術と様々な分野において影響与え、20世紀のモダン・デザインの源流となりました。
建築分野においては、19世紀的な装飾を用いた様式を否定し、機能性重視の設計が重要視され、世界中の多くの建築家にインスピレーションを与えています。
ところがBAUHAUSは、1933年にナチスによって閉校させられてしまいます。
設立からわずか14年間。しかし現代美術や建築に与えた影響は大きく、今でもその流れは途絶えていません。
BAUHAUSと現代建築デザイン
BAUHAUSが設立された1919年から百年近い年月が流れました。
インテリア・デザインにおいても様々な知的挑戦が繰り返され、様々な様式が現れては消えてゆきましたが、昨今では、まるでその歴史が一巡したようにBAUHAUSのデザイン思想が評価されています。
ニューヨーク、パリ、ロンドン、ベルリン、東京などで流行している「インダストリアル・インテリア・デザイン」の潮流は、BAUHAUSが蒔いた20世紀モダンの思想とデザインの継承に他なりません。
BAUHAUSが伝えてきた使いやすさと美しさというデザイン思想は、様々な工業製品の中で生き続けています。たとえば、リオン社(アメリカ)のスチールロッカー、アルテック社(ドイツ)のアルミコンテナ、ジェルデ社(フランス)やデイザー社(アメリカ)の照明器具などは、当時の空気感を纏ったまま今でも販売されています。これらは1950年代のイギリス、フランス、ドイツ、オランダやアメリカの工場、事務所、学校などで使用されていたものです。
アンティークだけどモダン 美しくて使いやすい
ヨーロッパのアンティークな雰囲気を少し残しつつ、ちょっとだけ廃墟感のある空間。ロンドンのテムズ川沿いに立ち並ぶレンガ造りの倉庫街の佇まい。ところどころ欠けたレンガ壁。呼吸する漆喰壁。無垢材を敷きつめた床の優しい肌触り。使い込まれて黒光りする鉄製階段の手すり。まるでリーバイス501のヴィンテージ・ジーンズのような“あたりの入った(色落ちした)”革製ソファー。ターン・テーブル型の古いレコード・プレーヤー。小さな多肉植物の質感……。
こうしたアイテムや空間とBAUHAUSのデザイン・コンセプトが創り出す暮らしの場が「Hampstead~B.I.I.D.」です。
それは言わば、古き良きものを大切にするブリティッシュ・スピリット(英国魂)と、近代のインダストリアル・デザインの機能性の融合です。そしてそれは、イエローチェア・ハウスがこだわる自然素材と日本の匠たちの技で創り上げられます。
・機能美や使い勝手の良さだけでは物足りない方
・装飾的な美しさに機能性を犠牲にしたくない方
・地域や自然環境と繋がった暮らしをしたい方
お家づくりのお金のノウハウにも無料でご相談にのっている『おうちづくり相談会』はもちろん、ぜひ、お気軽に弊社ショールームに起こしいただき、その世界観に触れてみてください!